就職先で私がこだわったのは、第1に飼料設計ができるので畜産・動物関係、第2に自然と向き合える仕事、そして仕事に男女差がなく働き甲斐のある職場風土。JA兵庫六甲を選んだのは、特に営利企業とは異なる職場風土に惹かれたからです。入所当初は三田営農総合センターで営農相談員として、貸農園の管理や畜産事業の支援、野菜生産部会の組織活動を担当。翌年から米の生産調整にともなう補助事業、米政策事業、三輪支店、直売所での販売事業と様々な業務と部署を経験した後、約1年半の産休・育児休暇を取得。ブランクがあっても当初の仕事を再度経験した上で、次の部署への異動となったので、職場復帰もスムーズでした。周囲も暖かく迎えてくれて、ここで働いてよかったと実感しています。
現在の業務は米や野菜を主とした営農相談活動です。簡単に言えば、組合員の方々の相談にのり、支援を行うこと。栽培の相談に答えたり、肥料や農薬の提案をしたり、経営上の相談に応じたり、良いアイデアと情報を求められたりと、相談の範囲が幅広く、組合員の方々の期待に応えるためには、勉強や努力が欠かせません。ある時、たまたま訪問した際に「ここの場所…種まきの失敗をしたけど、今から播けるものってないですよね?」と尋ねられ、「いえいえありますよ」と調べて提案したところ、後日「とてもよく売れた!来年からもこの品目を作りますよ」と喜ばれたことがあります。この仕事に大きなやりがいを感じ、また自分の成長を実感できた経験でした。私は常々、仕事をする限り失敗や成功は日常的にあるものだと思っています。それが大きな失敗にならないようにする秘訣は、日々のコミュニケーション。どんな大きな失敗も、互いの勘違いや情報提供不足など、コミュニケーション不足が原因ということが多いからです。自分の判断が独りよがりになって組合員の方々に迷惑をかけることのないように、私は可能な限り、気になることや不確かなことがあれば、可能な限り組合員の方々から意見をいただいたり、職場内でフォローし合うように努めています。
JA兵庫六甲には、新採用職員の1年を通して、先輩職員が新採用職員に常に寄り添って、日々の業務の中で指導・教育をするトレーナー制度があり、悩み相談に対する解決策、組合員との接し方、効率的な仕事の方法などを教えてもらえます。段階に応じて様々な研修制度が用意されている中で、私にとって忘れられないものが、1年目の農家研修です。1週間泊まり込みで農家の仕事を体験する研修のおかげで、専業農家が一日どのような生活をされているのか、JAに対してどのような期待を抱かれているのか、さらには作物の栽培や収穫作業で気を付ける点や農作業の大変さなどを学ぶことができました。現在たまたまですが、私も農家に嫁ぎ、子育てしながら兼業農家の一員として仕事と生活のバランスをとっています。将来、自分自身が農家のお手本となれるように公私ともに努力したいと思います。また、私の目標である、私たちよりもプロである専業農家の組合員でも、安心して経営上の相談、特に収支プランなどの相談に乗ることができるような相談員をめざします。